2人がそんな話をしている頃、その心配が的中したかのように竜騎が地面を転がり、体にアザを作らせていた。
ここは街の路地裏……
人気どころか霊気も少ないこの場所で、竜騎は誰かに吹き飛ばされたようだ。
「ぐ……。ぶ、無礼者め!! いきなり何をする!」
そう対峙する先には、先程の男の霊がニヤついて立っている。
その顔からして、どうやら飛ばした張本人のようだ。
「ククク、バカなガキだ。善人を装って近付いた事に、まだ気付かないのか?」
狙いは青龍の力。
それは、彼自身も分かっているようだ。
「余の力が目的か!! 身の程知らずめ! かかって来るが良い!」
「な~~にが身の程知らずだ。分かってないのはお前の方だなガキ。四獣霊と言えども階級1のヤツに何が出来る? ククク……」
ゆっくりと、男は近付いてくる。
竜騎も力強いセリフを吐いたものの、ジリジリと後退りをしている。
「四獣霊の力……俺がいただいたぜ!!」
男が手を伸ばして竜騎を掴もうかとした瞬間、辺りに煙のような物が充満していた事に気付いた