そんな近場で礼子の行くところは、一つしかない。
「学校ね!」
それは礼子が昔、初めて霊務を行った場所。
生きてる頃は、よくたこ焼きを買って、うまそうだろ~食えないのかわいそっと、暇潰しに霊達と会話兼嫌がらせをしていたのを思い出す。
そーいえば、どこからたこ焼きを買って行ったのか?
何かの帰り道か?
霊界の事は覚えていても、生まれ変わる前の人間の生活は殆ど覚えていない。
確かスーツを着ていたような……
まあ、そんな前の話も彼らから聞けるなと思い、酒のつまみにでもしようかと考えた(今の礼子は未成年だが)
「え~~っと、確かこっちね」
うる覚えの記憶だけを頼りに歩くので、本当にあるのかも検討つかない。
こんな事なら道を知ってるオッサンに、道案内を頼めば良かった。
全く……オッサンはどこにうろついているのか……
数分前自分がした事を、すっかり忘れてしまっている礼子であった