「誰が下僕担当者だ」









流石はオッサン。

口にもしていない事を、平気でツッコんでいる。










それよりも、敵対するサイドにオッサンが居ることの理由を礼子は問い詰めた。











「何でそっち側にいるのよ! カス! バカ! 甲斐性なし!」









特段本気で怒っているわけではないが、ただオッサンに悪口が言いたいだけで罵声を浴びせた。









しかし、そんなのは慣れっこ、オッサンは礼子のあやし方を熟知していた。












「どーせ君が動くなんて、金か食べ物にでも釣られたんだろ? いいだろう。金ならその五倍はウチが出してあげよう」










よく分かってる。

まさに金で動いていた礼子。







その返答は……










「マッジ? ぃやったー!! 何でもお任せください!」










あっさり寝返ってくれた。









鬼の様な形相から、トイレに間に合ったかのような至福の天使顔に一気に早変わり。










「あ……あ……」










亀咲は、こんな単純な事で解決したのを驚いて見ている。


礼子慣れしてない証拠だ。









オッサンは、そんな亀咲に説明を施した。










「こう言う生き物何です……コイツ。どうです? 『北風と太陽』みたいに、強く反発すれば手がつけられない程暴れますが、うまい事やれば人畜無害になりますでしょう? 扱いに気を付ければ、問題ありません」










言葉通り、全て丸く収まった。


やはり、礼子の飼い主だけのことはある