「痛ぁ!! 何なのこの子!?」
体勢を立て直すものの、今の衝撃には汗を一滴垂らした。
不完全とは言え、怒りにより一気に吹き出した力。
噂の病気により力がすぐに抑えられたが、あのまま通常に放出されていたら、亀咲の身もタダでは済まなかっただろう。
「やはり危険過ぎるわ……! この女!」
見ると礼子は目が血走り、力はないと分かっていても、気迫だけで気圧されそうである。
その迫力に対し一歩も動けず、しばらく牽制した時が過ぎると、亀咲の後ろから急に声が掛かる。
「……苦戦しているようだな」
その台詞に、振り返りもせずに亀咲はイラつきながらも返事を返す。
「うるさいよ獅死雄……ちょいと油断しただけさ」
その言葉通り、四獣霊の獅死雄が援護の為に姿を現していた