しかし、その後方に力を込めた切り裂き魔の手は、さも自然にそのまま振りかぶった方向に吹っ飛んで行った。
気付くと、腕がボロボロに崩れている。
「……! 霊力のみで腕を崩したか!?」
亀咲が驚きの声を上げるのと同時に、今度は腕だけでなく切り裂き魔の全身が崩れ去った。
「アタシの財形を邪魔するなら容赦はしない……オマケよ! ハァ!!!!!!!!」
礼子の気合いの衝撃波が、亀咲の操る死霊を呆気なく粉々に吹き飛ばした。
敵は何もせずに、登場して僅か20秒で礼子に瞬殺されてしまった。
これにより亀咲は目を丸めるが、そこまで言う程意外とは思わなく、直ぐに表面を元に戻した。
「流石伝説の女……力を失っても、大したパワーを持ち合わせてると誉めてやりたいとこだわ。だけど、やはり力が落ちてるようね。今の低レベルのアナタ程度じゃ、私に勝てはしないさ」
ドンっ!!!
挑発した事による礼子の反応を待つまでもなく、亀咲は地面を後方に蹴りつけ、勢いのある突進力で正面から襲いかかる。
ガシッ!!!
そのまま蹴り飛ばすでもするのかと思いきや、礼子と向き合って肩を掴み、その場で根付くように深く腰を落とした。
どうやら、純に力比べをしたいようだ。
「さあ押し返してごらんよ! スピードは大したもんだけど、力はどうかしらね?」