「ん……? おや、アンタは?」








相手は礼子の顔を見ると、知った風な声を出してきた。










それはそのはず。

月夜に照らされ浮かび上がった顔は、あの四獣霊・亀咲であるからだ。










礼子は一度会っているが、当然彼女の性格上覚えていない。










「何? あのブスが竜騎君の言う悪の親玉?」










「だ、誰がブスだって!? それにチビ! アタイの事を悪の親玉だって? 許さないよ!」










ゴウ!!










怒りを露わにし、竜騎に向かい突進する亀咲!









しかし、間一髪礼子が間に入り、亀咲の攻撃を防いだ。









そのまま2人は組み合う。









「な!? アンタは何で邪魔するんだ!! ソイツを渡せ!!」









「ん~~アタシにも正当な事情があるから、この子は渡せないなあ」










正当な事情って、ただの金目的だろ……










バッ!!










亀咲は後方に飛び、礼子と一定の距離を保った。











「あの時は邪魔されたけど、仕方ない……いくらアンタでも、死んでもらう事になるからね!!」










何やら不穏な言葉を吐き、地面に手を打ちつけた