しばらく歩き、ようやく着いたのは真夜中の事。








いつもの道路に、いつものバス停。







そして、水の代わりにいつも三ツ矢サイダーをあげていた道の花も、心なしか元気がない。









オッサンは……不在。



どこかに逃げ出したのか?







やはり綱で繋いでおくべきだなと、礼子は軽く反省していた。









落胆し、どうしようか悩んでいるとこに、タイミング良く声がかかった。








「もし、そこの人。何かお困りのようで?」









2人が振り向くと、そこには何の特徴もない普通の男性の霊が立っていた。









礼子は呆気なく事情を話す。








「うん。今この子追われてるんだ。アタシ達安全なとこ探してんの。アンタ協力しなさいよ」






いきなりもいきなり。

超遠慮無し。


でも、その霊はあっけらかんと返事を返す。








「いいですよ。安全な場所に行くとしよう」









何の質問も疑いもなく、話を理解してくれたのか、馬鹿にスムーズに話が進んだ。









その霊に促され、安全な場所へ移動しようかと言う矢先、竜騎の体に電流のような感覚が走った!









「何かが来る!! この気は!?」








そう。やっと安全な場所を確保出来たのも束の間、竜騎は遠くで感じる強大な気が、勢い良く近付いて来るのを感じた。









そして……








逃げようと言う間もなく、強風が辺りを吹き抜けた。










「……見つけたよ……やっとね」









赤く光る信号機の上に、竜騎の言う『悪魔』が姿を表した