「お前……凄いな! 良い戦力になる……おい!余の部下にならぬか?」
「ボクぅ。悪いけど、それは出来ないわ。アタシにもプライドがあるのよ。いくら遊びでも断るわ」
「余に仕えたら褒美をやろう。金でも、ダイヤでも」
「ボクぅ。お金で何とかなると思うの? 私めを犬とお呼びください」
お金で何とかなっちゃったよ。
まあ、冗談でそうは言ったが、遊びのつもりで仕えてやろうと礼子は決めた。
「それは良かった。それから、余を子供扱いするな。『竜騎』(りゅうき)と言う名前があるから、そう呼んでくれ」
「そか。竜騎君は何で追われてたの? 今の人の店で食い逃げ?」
どんな店だよと突っ込みたくなるが、竜騎は首を振って礼子の手を握った。
「いいや違う。とにかくコイツが死んだここから逃げよう。今のヤツを操っていた、悪の親玉が来てしまう!」
今のバケモノは操られていた?
そう説明され、言われるがまま移動する事に従う。
あまり面倒に巻き込まれるのも嫌だから、竜騎と共に街から離れて行った