「あ!竜真!おはよ〜!」 

あたしは友達の竜真の姿を見つけて駆け寄った。 

「愛……鳴海!」 

名前でいつも呼ぶ竜真があたしを名字で呼んだ。 

「なんで名字なの?」 

あたしは竜真のとなりについて、歩きながら聞く。 

「……なんとなく…。名前で呼び合うのとか、気が引けねぇ?オレら今から『先生』やんだよ?」 

竜真は真面目な顔で話した。 

「まずい?……かな?」

「なんとなくね。」 

「ま、いいや。じゃあ『藤本くん』ね。うわ、なんか恥ずかしくないッ!?」 

呼び慣れない名前に、少しだけ歯痒いカンジを残したまま、あたしたちは『学校』まで歩きだす。