<恭介side>
「それでは2時間後に本社で」
パタン
入社式も終わり、社長室に戻ると梶が会議の資料を置いて先に本社へ戻った
「新入社員、か~」
ギシ
デスクに腰を掛けいくつかのファイルの中から履歴書を取り出した
「ナツカワ ユイ…22歳」
それにしても以外だ。
こんなに誰かに惹き付けられるなんて。
……………
「えー…私の父はガンを患い半年間入院しています。
しかし、来年には中島コーポレーションとの合併があるので私が社長代理として努めていきます。
………」
チラっと1人の女性に目がいく
綺麗に座ってはいるが目が開いていないその女性に、
なんだか暖かい気持ちになっていく
「なんて顔して寝てんだか」
スピーチ中の事を思い出して少し笑えてくる
俺はこの会社を設立した父の一人息子で、跡取りとしてずっと父の仕事を一緒に見てきたが、
まさか父のガンが発覚し、状態も悪化するばかり。
合併の事もあり、社長不在はまずいので予定より大分早くに社長就任してしまったわけだ。
そんな話をスピーチに挟んだが、、
聞いてないんだろうなー…
そんな事を思いながら俺も本社へ向かった