コタローの努力という物を目の当たりにしたのは初めてだった。



動かず、ただブツブツしてる姿は異様。



話しかけられないほど集中してる…。



あたしが後ろで動いても気がつくかわからないくらい…。



「クソ…」



本を見てしばらく、またブツブツ…。



やっぱり覚えてるんだ…。



出て行けなくて、そのままベッドに戻った。



あたしと離れてた時もあんなふうに頑張ってたんだね…。



心配だったけど睡魔には勝てなくて。



目覚めてから隣にコタローがいないことに気づいてリビングに出た。



寝てる…。



想太郎のお昼寝布団をカラダにかけて。



「コタ…?お仕事の時間大丈夫なの?」

「何時…?」

「まだ6時だけど…」

「シャワー浴びて出る…。キスして?」

「えっ!?何言ってますやら」

「うっせぇ。早くしろよ」



恥ずかしい朝。



キスしたらコタローに後頭部を押さえつけられて濃厚なキス。



もうダメだ…。



窒息しちゃう…。