そんなストレートに言われるとどうしたらいいか…。



「2年一緒にいて、何も感じなかったわけじゃないよね?」

「でもっ…」

「はははっ、知ってて振り回してたの?悪い女…」



カチャッとかかった社長室のカギ。



ゾクッと背筋が凍る。



「あの…」

「何もする気はないよ。鈴原と話すだけ。邪魔されたくない。座って」

「はい…」



ソファーに向かい合った。



社長はカッコイイしモテる。



取引先で社長を狙う人は後を絶たない。



「俺が幸せにしてあげるから、旦那と別れてこっち来ない?」

「ムリです…。社長をそんな目で見たことないです…」

「今頑張ったんだけどなぁ~…。影からフォローしたじゃん…」

「それはっ!!感謝してます…」

「絶対ダメ?」

「ダ…メ…」

「鈴原をそんな風にさせる男ってどんなヤツ?」

「カッコヨくて曲がらない人ですかね?想太郎にも絶対必要な人」

「負けた~…。完璧負け~…。想君から攻めたつもりなんだけどなぁ~…」



想はちゃんと社長が好きだと思う。