次の日、出社するとすでに社長がいた。



実際、あたしの退職は忙しさに紛れてなあなあになっちゃってる気もする。



ちゃんと言わなきゃ…。



「お話いいですか?」

「どうしたの?」

「主人の仕事が不規則で、想に寂しい思いさせちゃうかもしれないんです」

「遠回しだね。辞めたいってはっきり言っていいよ。前にも聞いてるし」

「辞めたいとか、そうじゃなくて…。この会社にはお世話になってますし、ここが好きです。でも想が大事で…」

「旦那が大事の間違いじゃない?どうせ旦那に言われたから辞めるんでしょ」



いつもの社長じゃないみたい。



こんなキツい言い方されたのは正直初めてだ…。



「何がよくて結婚したの?想君の父親だから?」

「社長…?」

「俺だっていろいろ考えてたんだよ?鈴原、攻めても普通に落ちてくれないし。想君、カワイイし」

「落ち…」

「メシ行ったり、なんかあげたりってのは全部下心。鈴原の全部が好きだからね」



衝撃の告白…。