放心する夢羽を置いて、バイクで向かったゲンジの家。



今更ながら女が来てたらどうしようと…。



ゲンジの家は勝手に入って勝手に居座る。



今回も勝手に上がり込んだ。



電気がついてたから、ゲンジはいるはずだ。



「ゲン」

「うぉっ!!お前かよっ!!」



女がいるし…。



なにやらふたりでホラーを見てたらしく、マジでビビってるゲンジにちょっとウケた。



「えっ…?お前…どうした?」

「何がだよ」

「何普通に笑ってんだよ…」

「あ?いつもだろ」



ゲンジも彼女もぽか~んとした顔。



ゲンジに会うのは1週間ぶり。



「小田切君、なんかいいことでもあったの?」

「うるせぇバカ」

「ひど~い!!バカだけどひどいよゲンちゃ~ん…」

「想羽さんの遺影に会ってきた」



そう言ったら、ゲンジは心底嬉しそうな顔をした。



いちばん心配かけたのはゲンジだ。



常に心配させてた。



「変わってなかっただろ」

「当たり前だろ」

「だよな!!よかったじゃねぇの!!」



本当に前に進めた。