何かあったら電話しろと、あたしのケータイに番号を登録してから梶君が帰った。



起きないコタローをベッドから眺め、目を閉じようとした。



もうどこが痛いのかわかんない…。



「お前に関わんないなんて、たぶん俺がムリだ」

「コタロー?起きてたの?」

「ん…」



クルッとこっちを向いたコタローの口元には殴られたような痣。



誰にやられたの!?



「コレ…」

「梶さんに殴られた…」

「なんで!?」

「お前が周りに大事にされてるからだろ。俺はどうしたらいい?お前、俺のじゃん…」

「コタローのじゃないもん…」



そう言うと、大きな手が顔に延びてきた。



暖かい手に頬を撫でられて。



「俺のせいだな」

「そうだよ…」

「責任とってやるからそばにいればいい」

「偉そうだね」

「だってお前、俺のだから」

「じゃぁ…好きになればいいじゃん、あたしのこと…」

「…………それもいいかもな」



頭がおかしくなっちゃいそうで、久しぶりに見たコタローの笑顔にノックアウト。



恥ずかしすぎてどうすることもできないので目を閉じました…。