当たり前のように割れたガラス。



元カノが謝ったからなのか、コタローは急に無口になった。



ボロボロ泣く元カノをシカトして、あたしのとこまで来たコタロー。



「見せろ」

「い"っ!!」

「止まってねぇ。押さえとけ」



近くにあったティッシュを大量にくれたコタローはあたしの傷を気にしてくれたみたいだ。



それを傷口に当てると、急にカラダが浮いた。



担ぐとかじゃなくて…ちゃんと横に抱っこしてくれるんだね…。



「次、コイツになんかしてみろ。外出れねぇようにしてやるよ」

「琥太郎っ…」

「ゲンジ、窓ガラス代、俺の財布から出して置いとけ。後は任せる」



もうどうだっていいや…。



コタローが助けてくれたと言う真実が、あたしには全てだ…。



ゲンさんの返事が聞こえて、部屋を出た。



「コタロー…?」

「ぶっさいく」

「うん…」

「梶さん、わりぃけど病院まで」



誰の車だろう…。



そんなの、聞く余裕もなくて。



コタローに抱きついて目を閉じた。