コタローがこんなにキレてるのに。



止めなきゃいけないのに、コタローが怖くてカラダが動かない。



そこに割って入ったのはゲンさんだった。



「これ、俺たちのルールに反してんだよ」

「ルール…」

「イヤがってる女、無理矢理3人でまわすってどうなの?」

「あの女が先に仕掛けたことでしょ!?あたしから琥太郎を!!」

「今のコタあんまり刺激すんじゃねぇよ。テメー、責任とれんのかよ」

「知らないからっ!!あたしは悪くないっ!!」



次の瞬間、コタローの手が元カノを叩いた。



さっき見たような凄みのある感じじゃなく、ちゃんと手加減された叩き方…。



「今ので勘弁してやる。その代わり夢羽に詫びろ」

「何であたしがっ!!」

「交渉決裂。俺は女だからって手ぇ抜かねぇぞ。1発で落ちたらつまんねぇから。意識、とばすなよ?」

「ちょっ、まっ…ごめんなさいっ!!」



コタローの腕は元カノの顔を掠め、後ろの窓ガラスに当たった。