「遥君、写真!!写真撮ろう?」

「え? あ、おぅ」

琉美が、どこからだしたのか
知らねぇけど、
デジカメを持ちながら
そう言ってきた。


「やったぁ!!潤君!!写真撮って?」

「いいよ」


―パシャッ

「遥君!!ありがとっ♪」

「ん」



…………このときの俺は、

なんで琉美の顔が赤いのか、

とか、

なんで琉美が
こんなに喜んでるのか、

とか、

そんな理由に気づくことは
なかった。



…………鈍いってのも
多少の原因だろうけど。





俺…ううん。

“あたし”は。


輝流の執事服に
みとれていたんだ―…。