「今度、遥君の本気の走り、見せてよ」 「…………え…」 そ、それは…。 琉美の言った何気ないその一言で あたしの頭には、 思いだしたくもない、 “過去”が浮かぶ…。 ……………あたしは―…。 「遥君?」 琉美の声が遠くから聞こえる。 「遥!!」 焦った森の声を最後にあたしは、 意識を、手放した―…。