「はぁ……」
「珍しいな。輝流がため息をつく
なんて」
いつの間にか隣の席に
座っていた潤にそう言われた。
「矛盾しているって、何が?」
…………どうやら俺は、
無意識のうちに、
頭の中で考えていることを
声に出してしまっていたらしい。
「重なるところはいくつもあるの
に、肝心なところが重ならない。
それも、絶対的なことが」
「ふーん…。何だぁーそれ。学校
の話か?」
「…………あぁ」
正確には、遥の話、だけどな。
それを言うつもりはない。
「絶対的なことだけが、重ならな
い…ね〜」
「まじ、わかんねぇ…」
悠さんに相談してみるか?
あの人なら、
知っていそうだし…。