「俺の両親は、医者なんだ。それ
も、かなり有名な」

「…………」

「だから、不良高校に行くような
息子は、家(ウチ)にはいらない。い
ない。恥さらし。そう言われた」

「夏樹……」

「……だから女は嫌いなんだよ。
それが例え…血をわけた母親でも
な」

「夏樹……」





「……なんでお前が泣くんだよ。
意味わかんねぇ」

「ごめん。俺……」

「…………だけど俺…遥なら、大
丈夫だ」

「………えっ…?」

「遥なら、受け入れられる。もう
受け入れてる」

「夏樹…それって……」

やっぱり…俺が、
女だってこと…。