中学1年のとき
積極的すぎたあたしは
桜井に好きな人を
しつこく聞いた。


『誰にもいうなよ…?』


告白もなにもしてない
癖にめちゃくちゃ
高鳴るあたしの心臓。


『俺の好きな人は…』



お願い、宮本優衣を
呼んで下さいっ!!



『……』




でてきたのは
違う人の名前。


え、嫌だーっ!
ちょっと期待してたのに…


あたしと桜井は
カップルなんて
クラス内で
冷やかされるくらい
仲良しだったたから
そりゃ期待するわな。


心臓の痛みを堪えながら
そこでもあたしは
お得意のいい人キャラを
発揮させてしまう。


“その子と桜井二人
だけじゃ気まずいし
あたしが計画するから
皆ででかけようよ!!”



今思えばお節介
だったんだなぁー。


それでも13才の
片思いする乙女に
できる強がりは
これぐらいな訳で。


「いやいや、
乙女じゃないし」


調子のるなよっ優衣。
綻んできた心に
冷静なつっこみをいれながら


携帯のもうすっかり
暗くなった画面を
もう一度みる。



正確にどっちからとかは
忘れてしまったけれど
そんな淡い淡ーい片思い
の相手と最近メールを
続けていた。


勿論もう桜井のことは
好きじゃないし
一人の大事な友達として
メールしてたけど
前好きだった人と
同じクラスでもないのに
メールしてるのは
不思議な感じがしていた。