「まじ、あれはうけたわ~!
坊主の宇崎!!」


「ちょっと、忘れてよ!



さくら的にはツボだったらしく
同じ事を何回も繰り返すから
あたしの恥ずかしさの
ボルテージはどんどん
上昇していく。


「あれは自分でも馬鹿すぎたと思ったよ!でも
右側に坊主がいたの!」


笑いながらさくらに
言い訳をする。


「まじうけたわー!
言い訳いらないし!」


こいつ…。
そう思いながら、
まぁ馬鹿にしたり
されたりはいつもの
ことなので話をかえる。


「ってか、カラオケの
日程きまったの?」



あたしが雨の日に
坂で滑って恥ずかしい
こけ方をした時は
話を変えても戻された
けどきっとこれくらいなら
戻されないはず。


雨の日にこけたのは
死ぬ程恥ずかしかった。

しかも結構熱い話を
しててめちゃくちや
かっこいい台詞の時に
こけたから恥ずかしさも
100割増くらいだったんだよね…。


恥ずかしい思い出を
掘り返しながら
帰りの、今日は晴れている
坂道をさくらと歩く。




「あぁ、決まったよー」


よし、戻されなかった。
心の中でガッツポーズ。


「え、いついつ?」


また話を戻されないように
若干食い気味で
話に参加した。


「5月2日。
ゴールデンウイーク2日目の日曜日。」



あとちょっとだ。

「じゃあさ…宇崎君の
メアド貰って仲良く
なっといたほうがいいかな?」


思ったことを聞いてみる。
ぶっちゃけ、ちょっと
宇崎君と仲良く
なってみたかったし。


それは宇崎君=うさぎ君
という事に改めて
気づいてなんだか幸せな
気分にひたっていたあの日。


そういえば自分の
プロフィールを
書き込めるサイトの
友達のリンク集の中に
宇崎亮という名前が
あったことを思い出して
興味本位でみた時の事だった。