次の日の朝、凌と玄関にいる時だった

「本郷先輩~私、山本香織です。名前覚えて下さいね」

昨日の女の子だ。笑顔で山本さんは凌に言った

「うぜぇ」

凌の冷たい言葉も気にせず

「今度私と遊んで下さい。では失礼します」

廊下を走り、あっという間にいなくなってしまった

「ほんとしつけぇ」

凌はかなり怒っていた

私がいるのにまったく私のことを気にせず、
すごいなと感心してしまった

私の頭をポンポンと軽く叩きながら

「気にすんなよ」

「気にはしてないけど迫力に負けそう」

「俺が亜美以外好きになる訳ないじゃん」

そう言ってくれた。嬉しいけどなんかモヤモヤするんだ

朝の出来事を由里に話した

「うわぁーなんかいやな女。亜美も私が彼女よ、ぐらい言ってやりなよ」

「いやなんか、私の存在がない状態で…」

「本郷は大丈夫だと思うけど、一応気を付けた方がいいよ」

「うん、わかってる」

「なんかあったら言いなさいよ。私が助けてあげるから」

「由里は強いね。坂下がえらいよ」

笑って話をしたけど、内心私の心は不安だった