「帰ろう」

健太が私を教室に迎えに来た

「あっ、待って」

急いで帰る準備をした

「健太くん聞いたよ!昨日から亜美と」

シッー

健太が由里に人差し指を立て

「内緒にしておいて。ばれたらやばいっしょ」

ウンウンと由里は頷き

「亜美を大切にしてあげてね」

「わかってるよ」

「ごめーん」

私は健太に駆け寄り、もたもたしてしまったので謝った

「よし行くか。由里ちゃん、ライブハウスでね」

「あっ、はい」

祐介くんがまだ迎えに来ないので先に行くことにし、由里に手を振った

「何喋ってたの?」

「一緒に住んだこと言ってたから内緒にしてってお願いした。ばれてもいいけど、学校だけには知られたくないじゃん。一緒にいられなくなったら嫌だし」

「そっか。今日も一緒にいれるんだね。なんか嬉しくて嬉しくて」

健太はニコッと笑い私の手を握った

「あっ!今日私にカードキー使わせてね」

「いいけど。なんで?」

「使ってみたいの!いつも健太開けてるから今日は、私ね」

「そんなことぐらい毎日やっていいよ」

「うん、そうするっ」

「ちゃっかり呼び捨てにしてやがる」

「いいじゃん」

口で呼吸すると白い息が出る。今日はとても外が寒かった