茶の間に入ると、お父さんと弟の駿(シュン)がいた

「はじめまして。川崎です。今日はお邪魔して、すいません」

健太くんがお父さんに挨拶をしてくれた

「亜美がいつもお邪魔してすまないね。一人暮らしで寂しいだろ?亜美でよければいつでも連れて行ってくれ、ハハハハ」

「ちょっと何言ってんのー」

「ほらほら、おせちを食べさせてあげなさい」

うちの親はいつも能天気で恥ずかしくなってくる

「健太くんかっこいいよな。ほんとにねーちゃんと付き合ってんの?」

と、駿まで言う

「当たり前でしょ。私の彼氏だし」

そんな会話をしていると、健太くんは隣で笑っている

「もぉ、早くおせち食べよう」

口を尖らし、私はブツブツもんくを言っていた

「またふくれる」

そう言って健太くんが子供をあやすように頭をポンポンと撫でる

「亜美はどにに行っても子供扱いされるんだな」

こんな2人を見てお父さんが言った

「ふん!」

「そうそうライブはどうだったの?」

健太くんの顔を見てお母さんが言った

「あっ、成功しました。すごく楽しかったです」

「健太くん今度俺も連れてって」

駿が割り込んできて、身を乗り出し健太くんに言った

「来週、またライブあるから友達とおいで。チケットは亜美に渡しておくから」

「いいよ、あげなくても。受験生だし」

「駿が行かないなら、お父さんとお母さんで行こうかなぁ」

また変なこと言って話にお母さんが入ってきた

「もう、みんなうるさいよ」

恥ずかしくて恥ずかしくて、おせちをさっさと食べさせ、私達は2階へ上がった