「もうそろそろ落ちつくだろ」

健太くんはそう言った

「亜美帰るか」

「うん」

「健太、お前一人なの?」

「いやーこれから亜美んちで正月」

「まじーもう親と過ごすのかよ」

「緊張してんだから冷やかすな」

祐介くんと健太くんはそんなこと話し、

「じゃあ、またな」

と言って由里と帰って行った

「俺らも帰るな」

「亜美ちゃん、写真出来たら渡すね。あとこれ私のアドレス。良かったらメールしてねっ」

「あっ、ありがとうございます」

学くんと咲ちゃんも帰って行った

「後ろからちゃんと見えてた?」

「うん、見えてたよ」

「ファンの子からなんか言われたんだろ?」

どうして知ってるの?私誰にも言ってないのに

「えっ?」

「亜美のことはなんでも知ってるよ」

と言って微笑み

「よし、亜美んち行こう」

いつもそうやって、私の気持ちをわかってくれる
それ以上言う訳でもなく、聞く訳でもなく
私の辛い部分はそっとしておいてくれる
そんな健太くんが私よりも大人に見えた