「いよいよ始まるね」

いつもの場所と違うからドキドキする。健太くんも緊張してるかな

キャー

メンバーのみんなが出て来た瞬間、
すごい声援でびっくりした

健太くんの首が赤くなっていて、
目立ってしまっていた
でもそれが嬉しくて、私だけのものという証だった

「えっー俺ら『Blacks』の曲を聞いて下さい」

健太くんの声で始まった

隣にいる由里はギターを弾いてる祐介くんに釘付けで、
目がハートになっている
私も健太くんしか目に入らなかった

次々に歌い、汗だくの健太くん

「次は大好きな人のために作った曲、Eternally」

『Eternally』…私のことを思って作ってくれた曲
健太くんの思いが伝わる。私の顔を見て歌うから恥ずかしい

「亜美ステージ上がんな」

「なんで?」

「健太くん見てるから」

「見てるだけでなんで上がるの!」

「亜美、おいで」

「はあ?嫌だよ」

健太くんが私を呼ぶ。全校生徒の前に出るなんて無理

強引に引っ張られステージに上がらされた

間奏の部分で

「俺の大好きな人です」

もうかなりの緊張と恥ずかしさで私は赤面だった

健太くんが私の顔をチラチラ見て歌う

生徒達からキャーキャーと声が聞こえて、
早くここから降りたくて仕方がなかった