大紀が好きと自覚してから、何だか隣に居づらい。

なんか、騙してるってわけじゃないけど、仲良い友達って位置を利用して近づいてるっていうか、

この位置がもどかしいというか。

隣に好きな人がいるてのもあって・・・


とにかく私は全く落ち着かないのだ。

好きって自覚する前はこんなことなかったのになー。




そんなことを知ってか知らずか、いや、知らないんだけど、知られては困るんだけど、

大紀は普通に話しかけてくる。



「なあ、しいたけ」

「何?」

「昨日の9時からのバラエティ見た?」

「あー、なんだったけ?」

「ほら、男と女の友情は成立するかって言う恋愛バラエティだよ。」

「…あ、あーー見たよ!」



なんとタイムリーな話をしてくるんだろ、こいつ。

バッチリ見ましたとも、参考にするべく見ましたとも。




「しいたけはどう思う?」

「どう、思うって?」

「だから、男と女の友情は成立するかだよ!」

「う・・・んーーー、するんじゃない?」

「何で?」

「何でって、私と大紀の間で成立してんだから、してなきゃおかしいでしょ?」

「だよなーーー!俺としいたけ、バッチリ仲良いお友達だしな!」



言ってくれるなよ、辛いじゃんか・・・。



私は、はーーーっとため息をついた。