中庭にあるベンチに座ると、あたしも蒼ちゃんも、ちょっとぎこちなく離れた。



数分――。



何も話せないままでいる中、蒼ちゃんが口を開いた。



「未来…、今さらなんだけど、本当にごめん」



「ごめんって?」



いまいち意味が分からず、聞き返す。



「オレさ、未来を助けなきゃ良かったなんて、思ってないから…」



「蒼ちゃん…」



「本当は、未来がこんな目に遭わなくて良かったって、そう思ってる…」


そう言う蒼ちゃんは、弱々しく笑った。