「あるより、ない方がいいだろ?」



「そうは思わないな」



「何でだよ!両手は松葉杖で、あいつを守ってやる事も出来ないんだぞ!」



先生に食ってかかる蒼ちゃんの目からは、涙がこぼれ落ちていた。



「蒼…。人を守るって、手足が動かないと出来ないのか?」



「当たり前だろ?」



「当たり前じゃないよ。心で守ってあげる事も、出来るんじゃないかな?」