周りが騒がしくなってきた
憂鬱な私の気持ちとは裏腹に周りの人達は新学期ということに浮かれいるようだ
「はぁ」
今日、何回目かわからないため息をつく
目の前には、私の通う『星宮学園』の門
この学園は、この地域では有名な名門の私立校でよくある典型的なお金持ち学校だ
私は高校から通い始めたが、他の生徒はほとんど初等部からエスカレーターよろしく進級してきたからか、ひどく疎外感を感じる
私に友達ができないのはそのせいだ
と言いたいところだが、こんな格好ではできるものもできないだろう
私はまた、ため息をついて校舎まで続く桜並木を歩き出した
