あは、と笑ってみせたけど、心中は大荒れ。
あたしの生活どうなっちゃうんだろう……


キンコーン
カンコーン


質のいいチャイムの音と共に授業は終わった。
あたしは歩いて10分ほどのマンションまで、30分かけて帰った。

理由は1つ。
昨日ニットを返したときの強引な約束。



“逃がさねえよ?毎日俺の部屋に来い”



あまりにも鋭い瞳で睨まれて、あたしは言葉を返すこともできず。

ただ、ライトを見つめていた。
夢であってほしい、なんて思いながら。



カチャ---

とりあえず自分の部屋に入る。
と、昨日まで確かにあった可愛いベッドが……ない。

どうして……


「何これ」


置手紙には少しクセのある字で‘toみく’とあった。


「……ライト?」