「いらっしゃいませ」


二葉の顔を見るなり、支配人が慌てて言った。



「ねえ、なんで……」


「ああ。父親が会長」


え。
ええーっ!!!

あたしの目は点となった。
あの世界的大企業の息子だったんだ。
恐ろしい……


「やあ、二葉君じゃないか。おや、その娘は?」


「おじさんこんにちは。紹介は後ほど」


にっこり、タキシードの二葉はさっきから裏の顔を見せている。
騙されてんだ、みんな。

立食パーティーなのか、片手にグラスをもったおじ様たちが談笑している。


「二葉、あたしなんで来たの?」


「いいから」