ピンポーン

2度目のインターホンも虚しく、和兄ちゃんは外出の様子。

あたしはシェアルームで待つことにした。

あ……

ミニキッチンがあるんだった。
あたしってば天才?

手料理を作ることを思いついたのだ。
和兄ちゃんの大好きなカレーライス。


「ようし!」


あたしは勢いよく買い出しに出かけた。

近所のスーパーで隠し味のハチミツも揃えた。

ワクワクしてきちゃう。和兄ちゃん喜んでくれるかな。


──────…



トントン……

ジュッ


「なんやぁ?えらいイイ匂いするなぁ」


「ミコトさん、よかったらどうですか?」


「おぉ!料理かぁ~えぇな~久々やわぁ」


「ほんとにぃ?」


「なんや~?俺はジェントルマンやぞ~オナゴ連れ込んだりしてへんからなぁ」


「別にそんなこと……」

「おい、鍋!鍋!」


「きゃあっ」


お肉を炒めながら、あたしってば焦げてることに気付かなくって。
やり直すはめに。


「もう、ミコトさんのせいですよっ」


なんて、2人で笑ってカレーライスは完成した。