「それで?ネクタイゆるめて案内したわけ?」


「ちがっ……う……」


ライトの目が、寂しそうだった。
怒ってるって思った、のに。


「みく、何があった」


「なんでも、ない」


あたし、そんなに弱くないよ。
ライトのこと、守るよ。

心配なんてしないで。
大丈夫……


「みく」


……っ。
優しくしないで。
涙、我慢できないじゃん。


「ほら、まだお客さんいるよっ」


あたしは逃げるようにその場から去った。