間もなく新ブランド『prince&night』が発表された。
いたる所でロゴを見かける様になった。
宣伝が始まったのだ。
さすがにビル全体の巨大広告に自分がいると落ち着かない。
「おはよ!!みく」
「あれ、愛それ……」
「盗ってきちゃった」
満足げに微笑むミーハーな愛の手に握られていたのは正しく、あのポスターだった。
「ちょっと見せて……」
以前見たときにはなかった言葉が添えてある。
“美しさは罪---”
コレ……
あたしがあの時言った言葉……?
「ふふ、ポスターによって言葉が違うの。それにしてもテル、セクシーだよね……」
なんて愛はすっかり見とれていた。
教室の女の子たちは皆この話題で持ちきり。
「プリナイ買うよねっ?!」
「あたしも彼氏ほしー」
鈴木さんの思惑通り、彼女たちは発売される前から騒いでいる。
プリナイ……
あたしは省略されたのがおかしくって笑ってしまった。