「すみません、あの……」

「いや、私が頼んだんだ。女の子の意見が聞きたくてね」


怒るライトを制するように鈴木さんが話しだす。


「実はね。私たちは今新しいブランドを考案してるんだ。君たちくらいの若者に向けてね」


あたしは突然の話についていけず、ポカンとしていた。


「とにかく座れば?」


ルイの一言で、ようやくはっとし失礼しますと隣に落ち着いた。


「みくちゃんだったね。君は‘大人’と聞いて何をイメージする?」


大人?
大人……


「ブラックコーヒー?」

……沈黙。


「ばっかじゃないっ」


ルイが遠い目で言った。