「あ、ああ。俺こそ悪いな」


う、わ……
こんなにキスマークあったの、分かっちゃったかな。


「あ、はは」


「昨日も来たんだけど。最近部屋にいないの?」


「え……っと。バイト、してて」


「そっか。無理すんなよ?」


「うん」


なんとかコーヒーを淹れるくらいの機能は残っていて、あたしたちは昔話なんかをした。



「そうそう、あたしって和兄ちゃんばっかりでさ」


一瞬、沈黙が走った。
和兄ちゃんがこちらを見ていたから。

あたしは写真を見るフリをした。


その手に、和兄ちゃんの手が触れる。