「しかも、あの男好きで有名な夏未だぜ?あとは、海外からKISAっつー女と・・・。誰かいたか?」
夏未...か。最近は、俺に目をつけていると噂が流れていた。
なんか、イヤな予感がするな...。
「ん?待てよ・・・。KISA?あの世界で今、超売れていて、一番美人な日本人の女のコトか?!」
そう思い出したように、シズヤが大声で言う。
『へぇー、まじかぁー』
俺とシズヤ以外のメンバーが、声をそろえて言った。
日本人で一番、美人...。そういう女ほど、最低なやつはいない。
女は、自分の美貌に座って何でも手に入れることができると疑わない。この世界に入って、そう学んだ。
レンが大声で、メンバーに呼びかける。
「しゃぁー!今日は日本一の美女を拝みにいくぞー!!」
『しゃあー!!』
今日の目標みたいに言うんじゃねぇよ。バカなやつらだな...。
この日、俺の運命を変える時がくるなんて知らずに憂鬱な気分で、綺沙と初めて出会った。