-碧皇side-

「アオ!お前さえ生まなければ、私は幸せにくらせたわ・・・。さよなら」
「母さんっ!!どうして?!1人にしないでよ・・・。母さーんっ!!!」


〈ガバッ〉

「っ・・・!またかよ...くそっ」
またあの日の夢かよっ...。これで何百回目だっつーの。
俺は今日も見ていた。忘れもしないあの日の夢を...。

俺は女が大嫌い。なぜかって?母親に捨てられたから。俺という子供ができて5年がたった日、男を選んで家を出て行った。あんな奴が母親なんて言いたくないけど。
それで離婚した父親に育てられた。だから父さんにはすげぇ感謝してる。
俺が女にキャーキャー言われるこの仕事を選んだのも、父さんがアイドルになりたかったらしいから。それと、楽させてやりたからってのが理由。
メンバーには、理由は言ってないけど。恥ずかしくて、言えない...。

「おい、碧皇!仮眠はすんだか?もうそろそろリハだぜ?」
そうだった。ここは楽屋だったんだ。
「あ、あぁ。すぐ行く。さんきゅ、レン」
「いつものコトだろーが。っしゃ、行くベ」
「あぁ」
これから、Oステの収録。んー、気ぃひきしめるか。
楽屋を後にして、スタジオに向かって歩いていく。
「あ、そうそう。出演者は俺たち以外、全員女だぜ?碧皇」
は?ありえねぇ。女の隣に座んなきゃいけねーのかよ。ゴメンだな。