-綺沙side-

「あなたは、珍しい顔立ちね」

昔から初対面の人に言われる言葉。今までに何百回言われてきただろう?
そんなあたしは、東条綺沙。たしかにちょっと、めずらしいかも。
イギリスと日本のハーフ、目は青で髪は金色。外国人らしい特徴はそれだけ。
あとは顔立ちも体型もぜーんぶ日本。超へんてこでしょ?
今は、18才のJK3年♪のはずだった...。夢だったモデルと歌手になるため、アメリカに留学して高校と大学はスキップしたの。そして去年3月に晴れてデビュー★人気が世界ですごかったらしく、おかげさまで海外で活動してまっす♪


そして今、あたしは熟睡中。現在地はイタリア。今日は久しぶりのお休み。
〈♪~♪~♪〉
携帯から着メロが流れる。うるさいなぁ。せっかくゆっくり寝てたのに...。
いつまでたっても鳴りやまないから、しょうがなくあたしは電話にでた。
「もし・・・『きさ!!あんた何時だと思ってんの?!もう20分で飛行機の時間よ!!』
朝から、マネージャーの愛サンのうるさい大声。うっさいなぁ。
って...は?ヒコウキの時間?今日はお休みのはずじゃ・・・。
『あんた、また休みだと思ったんでしょ?違うわよ!!早く準備しなさいっ!』
「・・・・・・」
一気に顔が真っ青になった。時計に目を向ければ、9時を指していた。
「うそでしょ・・・」
あたしは、急いで準備を終えてホテルを飛び出た。
「愛サーン!!すいませんっ!!」
目の前にはタクシー。と、顔が怒りマークいっぱいの愛サン。
「全くふざけんじゃないわよっ!!早く行くよ!」
「はいっ」
あたし達は急いでタクシーに乗り込み、空港へ向かった。