お兄ちゃんはにっこり笑って私の頭を身を乗り出してなでた。



「よく言った。お兄ちゃんから言っとくから。
 お仕事がんばれ。」



こういうお兄ちゃん



大好き・・・・



「そろそろ出るか?」


「うん・・・。」


何にも食べたりもしないのにそのまま店を出ることになった。



あっさっきのウェイトレスさん・・・



「あ、あの、ありがとうございましたっっ」


「は?」


自分でもなんでお礼を言ったのかわからない


言われる側のはずなんだけど・・・・



「遥」


「うん。」


わけのわからないまま私は店を後にした。


外は午後の日差しに変わっていた。


心地よい春の日差しを体に感じながら


お兄ちゃんと歩き出す。