「お前何やってんの?」
「え?」
振り向くと買い物を終わらせたのか袋を持っている潤希くんがいた。
「潤希くん!」
「なんだよ」
「誰かに会った?」
「会ってない」
よかった~!
まだ清香さんとは会ってないぽくて…
「一体どうしたんだよ?」
「あ…」
言ったほうがいいのかな?
もしかしたら清香さんがうちの学校に入ったかもしれないって…
「あのね、潤希くん」
潤希くんは疑問を持ってるような顔をする。
「実は…」
「潤希?」
え?
今潤希って…
あたしと潤希くんは後ろを振り向いた。
長い髪の顔立ちがすらりとした女性が立っていた。
もしかして…
「清香…?」
「やっぱり、潤希だ」
会っちゃった。
「あれ?その子あたしと同じ制服?」
「え?」
清香さんはあたしのほうを見る。
清香さんもまだ学校の制服を着ていた。
「おい、お前…」
「えっと…」
潤希くんはあたしを睨みつける。
怒ってるよ!これ絶対!
「でも潤希に会えてよかった」
「清香」
「じゃ!」
清香さんは背を向けた。
「新しい彼女さんとお幸せに!」
そう言って歩き出し行ってしまった。
てか新しい彼女じゃないから!!
勘違いしないで~!!
「おい、どういうことだ?」
「…えっと…」
あたしは潤希くんにすべてを話した。
話した後の潤希くんは「はあ」とため息をついた。
「だから会っちゃまずいかなって…」
「そういうことか…」
潤希くんはあたしに背を向けた。
潤希くん、清香さんに再会してどう思ってるんだろう…?
「なんで有菜が潤希といるんだよ?」
「え?」
あたしが振り向くと礼羅がいた。
しかも怒ってるようだ。
「礼羅、これは…」
「別にいいよ」
「は?」
「お前らほんとは付き合ってたんだろ?」
「え…」
なんだ?何かが刺さったような感じがする…
「んじゃ、先にお店戻ってる」
「礼…」
すると潤希くんが礼羅の肩を掴んだ。
「なんだよ?潤希?」
「いいか、一言も聞き逃すな、俺はこいつと付き合ってない、こいつはただ俺のことを心配してくれただけだ」
「潤希くん…」
礼羅は潤希くんの掴んだ手を振り払った。
「じゃあなんでふたりよくいっしょにいるようになったんだよ?」
「礼羅!」
「俺は戻る!」
礼羅は走り出してしまった。
「なんであんなこと言うんだろう…」
人の話聞かないで違うって言ってるのに信じないで…
礼羅なんか嫌いだ!
「潤希くん、あたし散歩してくる」
「おい」
「礼羅、あたしに会いたくないよ」
あたしは商店街の入り口に行こうとした。