修とのデートはいつもこんな感じだ。

私が一人で勝手に怒って、機嫌が悪くなる。


だから、なるべく人の注目を集めないようなところで会うようにしている。

公園だとか、お家だとか。


修がモテることは初めからわかっていた。

けど、こんなにも私自身、みじめな気持になったりするとは思っていなかった。


堂々と修がベタベタしてくることも、初めのうちは、嬉しくて。

愛されてる実感のように感じていた。


けれど、そんな私たちを見て、周りの人たちがどう思っているのか、
それに気づいてしまったとき、

一気に目が覚めたように重くのしかかってきたのだ。


“なんで、あんな子が?”


その言葉が今でも私に付きまとってくる。

すれ違った際に偶然聞いてしまった声。


きっと悪意なんてなかったんだろうけれど、
その言葉は、深く私の奥に入り込んだ。