ことの始まりは私たち女子側の何気ない一言だった。


“グループデートって楽しそうだよね。”


他愛無いガールズトークの一つだと思っていた私はその場のノリで、できたらいいね、なんて賛同していた。

今までそんなことなどなかったからと、何気なくうなずいていただけのつもりだったのに、

気が付けば、話はとんとん拍子に進み、いつの間にやら計画が立てられ、
そして・・・



今に至るわけだ。


前を歩いている、里奈、たっちゃんは私の中学から友達で、大学生になった今でもずうっと仲がいい。

いつも話だけ盛り上がって、実際に実現することなんてほとんどなかったから…

今回のことには本当に驚いた。


二人の彼を紹介されたことにも驚いたけれど、こんなことになるなんて…。


「とりあえず、これに並ぼうか。」

一番前を歩いていた、たっちゃんの彼の真さんが、この遊園地で一番有名なジェットコースターの前で止まった。

背の高い、メガネ男子の真さんはこの中で一番年上で落ち着いている。

元気で活発なたっちゃんにはぴったりの相手だ。


今日も真さんの車でここまで連れてきてもらったのだ。


「わぁー!!俺これ乗りたかったんだよね!」

「陸、はしゃぎすぎ!恥ずかしいから、もうちょっと静かにしてよぉ。」

「お前だって乗りたいってあんなにはしゃいでただろ。」

「それはっ…!!もう!」

「ははっ!良いから、ほら、並ぶぞ。」


元気いっぱいにはしゃぐ陸君は、里奈の彼氏。


中学の時から美人でモテた里奈の彼氏…なんて一体誰なんだ?と思ったけれど、
あの里奈の安心しきった笑顔。

楽しそうにじゃれあう様子が仲睦まじい。