皆とは、入り口で待ち合わせをしている。


きっと今頃はみんな入り口で私たちのことを待っているはずだ。

現に、私たちも園の入り口に向かっている。

日も傾いた園内はだいぶ人の数もまばらになってきていた。


「な、美月…」

修が背を向けたまま私を呼ぶ。

優しいその声で。


「・・ん…?」

聞いてるよ、とサインを出そうとしているのだけど、声がうまく出ずに小さな声だけが漏れる。


けれど、修には届いたみたいだ。

「…俺が好きなのは、美月だけだから。」


何の告白なのか、突然の修の言葉に、うん。とだけつまらない答えを返してしまった。


「それと、俺には美月が一番かわいいし、美月以外目に入んないから。」


それはちょっと大げさなんじゃ…

ふふっと笑い声が漏れてしまったけれど、
また、うん。と返した。


「どっちかってーと、周りの男どもが美月に色目使てんじゃねーかとか、そっちのが心配なくらいだから。」

修の耳がちょっと赤い、気がする。

夕日のせいかもしれないけれど、言葉尻がそう聞こえたんだ。

「…私はその逆だよ。


修が周りの女の子にもててるのが心配でしょうがない。

私なんかが修と歩いてるの、
申し訳ないなって・・・。


可愛い子なんて世の中にはいっぱいいいるんだから。」