ここは、都内の遊園地。

最近できたばかりの話題のスポットで、今日もたくさんの人で溢れている。

そんな場所に来て、私がなぜこんなにまで、気落ちしているのかと言えば・・・


「どうした、入らないのか?」


背中からふわっと伝わってくる温かい体温と体に回るたくましい腕。

かすかに香る石鹸の香りに、私はのけ反るように飛びのいた。


「し、しゅう!!ななにするの!」

がばっと自分の身を守るように胸の前で手をクロスしてバリアする。


「何って…別に抱きしめただけだけど。」


・・・コレだ。

私の彼氏である、修。

いたずら好きで、甘えたな彼。


恥ずかしがり屋な私に対し、
対照的な彼は人前で平気でこういった過剰なスキンシップを求めてくるのだ。


そして、嫌がれば、嫌がるだけ何故か彼は喜び、
その反動が倍になって返ってくる。

そんな彼との遊園地デート。何が起こるかわかったもんじゃない。


こんなにたくさんの人がいるところで・・・


そして、

「何やってるのー?早くしないと置いてくよー?」




友人とのグループデート、だなんて。

・・・私の憂鬱を誘うのに、
こんなに適した場面はないだろう。