「美月…つかまってて」

修の声が耳元で響く。



「え・・・?」

ふわっとした浮遊感に襲われた。


修の体に抱き着いたままの私は、
気が付けば、修の膝に乗せられた状態。

修の腕が腰にまわりしっかりと体を支えてくれていた。

顔を動かせばすぐそばに修の顔、といったこの態勢に


顔をあげて、外の景色を見ることもままならなかった。


風に煽られたゴンドラは、大きく揺れはしたが止まることはなく、
ゆっくりと頂上へと向かってゆく。


修にまるでお姫様抱っこをされているかのように
包み込まれている、

この感覚が心地よい。

たった半日、離れていたくらいで…

私ってば・・・修に依存し過ぎていたのかもしれない。