私の力を込めた腕に、
ぴくりと修が体を震わせる。


そして修は、腕に込める力をいっそう強めた。


どれくらいこの態勢だったのだろうか、

動くのさえ億劫だと感じるほどに抱きしめあった私たちは、
どちらからともなく身体を離した。

こつんと、修のおでこが頭にぶつかるのがわかる。


「・・・」

「・・・」


会話が、言葉が出てこなかった。

意地なのか、照れくささなのか、どちらともつかない感情が胸の中をぐるぐるとめぐる。



沈黙がつづく・・・


―――がくん、

突如、風に煽られて、大きく揺れた。

「っひゃ…!!!」

「!!!」

びくりと肩を揺らし、再び修にすがりつくように飛びついた。

突然の揺れは収まったものの、いまだに左右にゆっくりと動いている。